外科開業医は絶滅危惧種か?:末次文祥

4 12月

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「野々村病院物語」(めっちゃ古!)に出てくるような中くらいのほのぼのした外科病院はほとんどなくなってしまいました。例えば30床くらいの規模の、手術をたくさんやっている町の外科のお医者さんが今でもいたらそれはそれはすごいことだと思います。ブラックジャックのように崖の上に一軒家を構えて手術の名医、などというのはかつてのフィクションの世界だけになってしまいました。マンガやドラマですら、現代の外科医は例外なく大病院勤務医です。

超高齢化しつつあるわが国の医療そのものの在り方も変貌してきましたし、インターネットによる高度情報化により医療の受け手である患者さん側にも十分な知識と期待がはじめからある時代になっています。それに応えるためには、残念ながらというか当然ながらというべきか昔懐かしいドラマに出てくる牧歌的な外科のお医者さんと同じでは淘汰の渦中に藻屑と消えてしまいます。そもそも外科医で開業したいという医師がいなくなりつつあるのです。

私たちは北九州市八幡地域の外科開業医つまり独立診療医であり、地域の基幹病院の外科部長先生方とともにこの臨床外科医会を構成しています。

八幡には「内科医会」もあります。しかし内科・外科という診療の看板は機能しているようで形骸化しているところもあり、むしろ必要なのは消化器科、循環器科、呼吸器科のように患者さんが身体のどこを診てもらえるか一目瞭然の標榜名ではないかと感じます。

そして「外科医のちから」としては、手術することだけではなく、手術を控えた不安な気持ちでいる患者さんの立場に立って、個々の病状に応じた適切な手術医療機関を選択し、よろしく頼むと紹介をし、術後の回復期から遠隔期まで外科医の目でトータルに診てあげられることこそ患者さんにとっては大事なのだと考えています。